フリーランス・個人事業の仕事トラブル解決体験

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フリーランスで企業との間に起こったトラブルから解決までの体験のまとめ

8. 和解あっせんの緊張の一日:法廷ではない会議室で

フリーランス・個人事業主のが直面する企業との対話への心理的挑戦

いざ「和解あっせん」の当日。
私は緊張と不安な中いつも着慣れたスーツに身を包みネクタイも締め直し、霞が関にある第二弁護士会のビルに入りました。受付を済ませた後、小さめのミーティングルームに通され、しばらく待つと、大きめの会議室へ案内されました。

会議室は机がゼロの形のように並べられ、一番離れた対面の上手にはすでに2人の弁護士が座っており、私は遠い対面になる下手真ん中の席の前まで足を運びました。

緊張感のある空気が流れていました。フリーランスとして企業相手に挑む私は、偏見の目で見られているのではないかと不安になりました。実際、和解あっせんを申し立てる個人事業者は、個人では解決しにくい大きな過失などを解決するために和解という形で話し合いの場を設けるケースもあるそうです。

私自身に過失は無かったと断言できること、相手企業側が明らかなウソの答弁をしようとしていることなど、そういった確固たる自信すら消えてしまいそうな緊張感の中、挨拶を交わした後、和解あっせんの趣旨が伝えられました。

この場には、話を聞いて和解に導くことを目的とする2人の仲裁人である弁護士がいます。和解を前提とした話し合いの場であり、和解に至らなければ裁判に進むケースもあるとのことでした。目的は勝ち負けを決めるのではなく、納得の行くまで話し合い、互いにどれだけ譲歩できるかを見つけ、解決策を探ることです。多くは数回の話し合いで解決します。とのことでした。

まずは相手方の会社から意見を聞くことになりましたが、私が「顔を合わせない」形式を選択していたため、一時的に元の小さめのミーティングルームに戻されました。
仲裁人の弁護士たちは双方の話を40分から1時間ずつ聞くという形で進められます。次に自分が呼ばれるまでの待ち時間、私は何をすることもなく、相手方が弁護士たちとどのように話し合っているのか、自分の反証をうまく話せるかどうかなど、心配しながら時間を過ごしました。

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